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被団協、被爆者ら50人派遣検討 15年のNPT再検討会議 過去最大規模

 NPT再検討会議に向けた第3回準備委員会に合わせ、米ニューヨークを訪問している日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳事務局長(82)は4月30日、現地の講演会で、2015年の再検討会議に「被爆者らを過去最大規模の50人送りたい」と話した。(ニューヨーク発 山本慶一朗)

 多くの被爆者の証言により、核廃絶に向けた議論を後押ししたいといい、田中事務局長は「被爆者の高齢化が進み、人数をそろえるのは難しいが、被爆2世も交えて訴えたい」と語った。

 講演会は地元の市民らを対象に開かれ、被爆者2人も証言した。

 生後9カ月の時に爆心から約3キロの地点で被爆した佐久間邦彦さん(69)=広島市=は「69年前の原爆投下は決して過去のことではない。いまだに原爆症で亡くなり、苦しむ人がいる現実を見ても、核の非人道性は明らかだ」と話し、核兵器禁止条約の実現を求めた。

 児玉三智子さん(76)=千葉県市川市=は7歳の時に広島で被爆。14歳だった姉は大やけどを負い、水を求めながら自分の腕の中で亡くなった。被爆との因果関係は不明だが、3年前に娘もがんで失い、児玉さんは「私は原爆被害から一生逃れることができない」と悲惨さを訴えた。

(2014年5月2日朝刊掲載)

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