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8ヵ国の子ども「平和」描く 原爆資料館で今月末まで展示

■記者 馬上稔子

 8つの国の小中学生が描いた「子どもたちの平和の絵コンクール」の作品展が広島市中区の原爆資料館東館で開かれている。アメリカ、ロシア、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、中国、日本から寄せられた作品7892点の中から、入選した172点を展示。館内は子どもたちの平和を願う明るい色で華やいでいる。1月31日まで。

 フランス・オバーニュ市のペルソンヌ小初級科2年クロエ・イソンシューさんは、いろんな言語で「こんにちは、平和」などと話す4人を吹き出しを使って描いた。手をつないでおり、その後ろでは地球がフランス語と英語で「ありがとう」と話す。

 米国ハワイ州のワイアケアワエナ小3年シャリス・バナサンさんは虹の架かった空の下で友達と遊ぶ様子を描いた。普段の生活の中にある「平和」を表現している。広島市の広島大付属中2年吉永瞳さんは原爆ドームから飛び立つハトを描き「広げよう平和の輪」の文字を書き込んだ。被爆地広島から世界に発信する重要性を表している。

 資料館啓発担当の石田真さん(30)は「同じテーマだが、絵の具を使うだけでなく雑誌の切り抜きを張るなど、国によって表現方法にも違いがある」と話している。

 コンクールは1986年、国連の「国際平和年」にちなみ、次世代を担う子どもたちに平和と命の尊さを学ぶ機会にしてもらおうとスタート。22回目となる今年は5月下旬から、広島市の姉妹都市や以前コンクールに参加した学校など計93団体に手紙で参加を呼びかけた。

 観光のため広島を訪れていたカナダ人英語教師のケリー・ワードさん(26)は「力強いメッセージを持った絵がたくさん。世界平和のために広島という特別な地で、子どもたちの心が一つになっていると感じた」と話していた。

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