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天野氏、原医研視察へ IAEA事務局長 8・6式典に出席後 広島大発表

■記者 新谷枝里子

 広島大の浅原利正学長は29日の定例会見で、8月6日の広島市での平和記念式典に出席する国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長が式典後、広島大原爆放射線医科学研究所(原医研、南区)などを視察することを明らかにした。

 広島大は6月、IAEAの緊急時対応援助ネットワークに登録。原子力事故時の医療支援や放射線防護で、助言やデータ提供の協力をする。このため、天野事務局長は、半世紀以上の蓄積がある原医研の被曝(ひばく)者医療の研究成果や実態を把握し、共同事業に生かす目的で視察するという。

 天野事務局長は、原医研の実験室や緊急被ばく医療推進センターを約1時間かけて視察。広島県、広島市、広島大でつくる放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)と被曝者医療分野で協働する覚書の署名も予定している。

 浅原学長は「実際に見学してもらうことで、担う責任の重さを実感できる。被爆地ヒロシマの大学としてIAEAへの貢献を強めたい」としている。

 記者会見では、広島大に寄付を続けている福山通運(福山市)会長の小丸法之さんに感謝し、東広島キャンパスの学生プラザ一帯を「小丸スクエア」と名付けたことなども発表した。

(2010年7月30日朝刊掲載)

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