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北朝鮮の核開発批判 NPT準備委 「平和脅かす深刻な挑戦」

 米ニューヨークで開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会は1日、北朝鮮の核開発や中東の非核化など地域問題をテーマに討議した。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 4度目の核実験に向けた動きを見せる北朝鮮に、各国の政府代表から批判が集中した。日本の佐野利男軍縮大使は、北朝鮮の核開発計画を「NPT体制への深刻な挑戦。国際社会の平和と安定を脅かしている」と非難。核兵器の完全放棄を迫った。韓国も「新たな核実験をすれば、北朝鮮に高い代償を払ってもらうことになる」と強い口調で警告。米国、英国、スイスなども自制を求めた。北朝鮮は2003年にNPTから脱退を宣言している。

 一方、中東問題。10年にあった前回の再検討会議は、採択した最終文書に、中東の非核化構想をめぐる国際会議の12年開催を明記したが、アラブ諸国と、NPT未加盟で事実上の核保有国のイスラエルとの対立のため実現していない。

 1日は、特別枠を設けて集中討議。国際会議の調整役を務めるフィンランド外務省のヤッコ・ラーヤバ氏が、昨年10月からことし2月までに計3回、関係各国がスイスに集まり、会議の進め方や議題を非公式に話し合ったことを報告した。5月中旬に4回目の協議をし、国際会議の開催日を含めた調整を進めるという。ラーヤバ氏は「会議の在り方について年内に全ての関係国の合意を取り付けたい」と実現へ意欲を見せた。

(2014年5月3日朝刊掲載)

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