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米露、軍縮議論で応酬 NPT準備委 ウクライナ情勢めぐり

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会は2日、軍縮の議論を続けた。ウクライナ情勢をめぐり、核大国のロシアと米国が意見を応酬した。(ニューヨーク発 田中美千子)

 準備委では連日、各国がウクライナ南部のクリミア編入を強行したロシアに批判の声を上げている。特にウクライナは初日の4月28日、旧ソ連崩壊後に領内に残った核兵器の放棄と引き換えに米国、ロシア、英国から安全を保障された1994年の「ブダペスト覚書」が破られたと抗議。クリミアが戦略的に重要な位置にあるとして「ロシアが核兵器を配備する可能性も排除できない」と指摘していた。

 これを受け、ロシアは2日、「住民投票の結果を受け、一発の銃声も響かせずにクリミアを編入した。核兵器で相手国を脅かした訳でもなくこの問題はNPTと無関係だ」と強調。「ウクライナが領土を失ったのは外的影響ではなく、複雑な国内問題によるものだ」と反論した。

 一方、米国は「われわれはブダペスト覚書を厳守している。全ての国が同じように国際社会の安全保障に寄与するべきだ」とロシアを非難した。

(2014年5月4日朝刊掲載)

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