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　広島市西区出身の漫画家こうの史代さん（４５）の漫画が原作で、第２次大戦末期を描くアニメ映画「この世界の片隅に」を制作している片渕須直監督（５３）の講演が３日、広島市中区であった。市民約１００人が聴いた。

　映画は、広島と呉の両市が舞台。片渕監督は、聞き取りや古い写真の収集で、原作漫画の背景などを裏付ける事実確認に力を入れたと説明。「作品に確かな世界が生まれ、生活感の表現に深みが出せた」と強調した。

　片渕監督は、調査のために広島市を２０回以上訪問。この日も、当時、市内で暮らした市民から話を聞き、作品に登場する店の大きさや位置関係などをメモしていた。

　アニメーターを目指すアルバイト石山正修さん（２４）＝愛知県田原市＝は「細部へのこだわりが大切だと参考になった」と話していた。（堀晋也）

（２０１４年５月４日朝刊掲載）