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「9条」議論 続々と 憲法記念日 山口県内各地で集会

 憲法記念日の3日、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認へ解釈の変更に意欲を見せている「憲法9条」について考える集会や催しが山口県内各地であった。

 岩国市民会館では、元米海兵隊員でベトナム戦争後に戦争後遺症に苦しんだ故アレン・ネルソンさんに関するDVDを上映。憲法9条の大切さを訴え続けた生前の活動を紹介した。主催した「九条の会岩国」の宮田伊津美世話人は「戦争は市民生活を脅かすことになる」と強調した。

 周南市徳山保健センターでは、周南法律事務所の田畑元久弁護士が「外交で国交問題を解決する努力が大事」と講演。主催の「平和・民主・革新の日本をめざす周南の会」は街頭で「9条を守ろう」との横断幕を掲げた。

 市民団体「憲法を活(い)かす市民の会・やまぐち」は、山口市米屋町の商店街で集団的自衛権行使の賛否をアンケートした。結果は賛成26▽反対44▽分からない36。投票した同市阿東徳佐中の介護士西木ひとみさん(62)は「戦争に加担する国にはなってほしくない」と話していた。

 同市大手町の県教育会館では「護憲運動から愛憲運動へ」と題した山口大の纐纈(こうけつ)厚副学長(政治学)による講演もあった。

 また、周南市の新南陽ふれあいセンターでは2日夜、「憲法討論を通して 日本の未来を考える」をテーマに討論会があった。日本青年会議所中国地区山口ブロック協議会が主催。パネリストとして参加した東亜大の福田達也准教授(法学)は国民投票法改正案の審議が国会で進んでおり、「憲法改正への機運の一つ」と指摘。江島潔氏(参院山口)は「隣国からの脅威に対抗する軍備が必要」と、改憲の必要性を訴えた。(友岡真彦、松尾直明、折口慎一郎)

(2014年5月4日朝刊掲載)

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