×

ニュース

2014ひろしまFF 全力スポーツ 復興サポート ②

 2014ひろしまフラワーフェスティバル(FF)が開幕した3日、広島市中区の平和大通り一帯では、華やかな花の総合パレードが沿道を盛り上げ、ステージでは多彩なイベントが繰り広げられた。東日本大震災の被災地の復興を願う輪も広がり、被爆地広島で被災者との交流が深まった。

被災地思い花の傘 広島の山下さんら

 赤や緑の色鮮やかな花1輪をあしらった傘が揺れる。広島市の市民グループ「ピース・アンド・フラワー プロジェクト」。共同代表の山下愛さん(43)=安佐南区=は、東日本大震災の被災地の復興、平和を願った。

 「花の傘」を手にしたメンバー100人が、平和大通り1・2キロを歩いた。「花の傘を広げて笑顔の子どもたち。何げないことだけど、幸せをかみしめている」と山下さん。そばには福島県いわき市から家族で東広島市に移り住んだ人々の手を振る姿もあった。

 昨年11月、中区であった東京在住の2人組アーティスト「ミレイヒロキ」さんの「花の傘」の展示を見た。傘に咲く花には、作者の「一人一人が子どもたちに美しく平和な未来を残そう」との思いが込められていると知った。同時に、自分の中で、被災地への思いが薄れていたのに気付いた。

 「忘れてはいけない。傘を差して復興や平和を願うなら自分たちにもできる」。友人たちと、ことし2月にグループを設立し、3月11日には、原爆ドームの対岸に311本の傘を並べて、被災地の復興を祈った。山下さんは「FFは平和を発信し、誓うイベント。復興支援として被災地の子どもたちの平和も祈りたい」と誓った。(有岡英俊)

交流の芽 キックオフ

 東日本大震災で被災した福島県いわき市の植田サッカースポーツ少年団と、広島市安佐南区のCOCOROサッカークラブの子どもたちが、FFの大舞台で交流の第一歩を踏み出した。

 4日に同区で開く復興支援のチャリティーサッカー大会の横断幕(縦0・8メートル、横3メートル)を持った両チームの6年生が先頭。植田の小学4~6年14人を含む計103人が一緒に歩いた。緊張した面持ちだったが、沿道からの拍手に笑顔で手を振る場面も。

 植田の子どもたちは震災後、満足に練習できない時期があった。COCOROが「広島で思いっきりサッカーを楽しんでほしい」と4日の大会を企画して招いた。サッカー以外でも広島を満喫してもらおうとパレード出場を呼び掛けた。

 「こんな大きなイベントに出られて、感謝している。友達をたくさんつくりたい」。植田の主将の小学6年柄沢太一君(11)。COCOROの主将の小学6年浅田大貴君(11)は「震災を乗り越えた強いチーム。対戦が楽しみ」と話していた。(有岡英俊)

支援の種を 学生呼び掛け

 白神ブロックの広島修道大ひろばでは、東日本大震災の復興支援などに取り組む学生団体が、パネル展示や紙芝居の上演を通じて、来場者に支援の継続を呼び掛けた。

 同大の学生15人でつくるボランティア団体「ラポール」は、被災地をヒマワリでいっぱいの観光地にする「福島ひまわり里親プロジェクト」の概要について説明。学生の呼び掛けで市民に種を増やしてもらい、被災地に届けている活動を紹介した。

 人や物資の運搬にと、江田島市が宮城県気仙沼市の汽船会社に船を無償で貸し出したことを紹介する紙芝居の上演もあった。

 友人と訪れた東広島市の会社員森本源子(もとこ)さん(57)は「熱心な活動ぶりが伝わってきた。これからも頑張って支援を続けてほしい」と感心していた。(河合佑樹)

(2014年5月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ