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被爆建物 保存探る 平和公園から旧陸軍被服支廠まで 「ピースウオーク」に50人 広島

 広島市中区の平和記念公園から被爆建物の旧陸軍被服支廠(ししょう)(南区出汐)まで歩く「ピースウオーク」が、4日あった。市民約50人が被爆地の足跡をたどりながら被爆建物の保存や活用を考えた。

 3班に分かれ、慰霊碑や原爆詩人の峠三吉(1917~53年)が住んでいた市営平和アパート(中区昭和町)をボランティアが案内した。約2時間かけて爆心地の南東約2・7キロの旧被服支廠に着いた。そこで被爆時に動員学徒として働いていた中西巌さん(84)=呉市=は「頑丈な建物が原爆の衝撃から私を守ってくれた。多くの声で保全を後押しして」と訴えた。

 中西さんたちが2012年から毎年、ひろしまフラワーフェスティバルに合わせて開いている。平和記念公園のボランティアガイドをしている藤野明子さん(45)=府中町=は初めて参加し「建物がなくなれば原爆の悲劇も忘れられそうで不安。難しい問題と向き合いたい」と話していた。(川上裕)

(2014年5月5日朝刊掲載)

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