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「平和本」7月出版 広島のNPO配布へ 費用の寄付募る

 広島県内に住む被爆者や学生でつくるNPO法人HPS国際ボランティア(広島市西区)が7月中旬、被爆者の体験や子どもたちの平和メッセージを盛り込んだ本「ようきんさった 原爆ドームは語る」を出版する。日英2カ国語を併記。写真などを載せるページをカラーにするため、寄付を募っている。

 本は縦23センチ、横21センチで64ページ。10人の被爆体験を写真とともに載せるほか、自身も被爆している佐藤広枝理事長(75)の体験談を聴いたり、佐藤さんの幼少期を描いた絵本を読んだりした県内外の小中学生や幼児が寄せた感想やメッセージ30点余りを掲載する。

 平和記念公園(中区)にある原爆慰霊碑や原爆供養塔など11の碑も紹介。被爆者の体験記は、佐藤さんと大中加代子理事(61)が、約半年かけて聞き取りをした。今回初めて証言した韓国人女性もいるという。

 3千部印刷し、広島市内の小学校などに無料で配る予定。写真を載せるページをカラーにすると、200万円近い費用がかかる。市の原爆死没者慰霊等事業の補助100万円を受けるが、ほぼ半分が不足するという。

 佐藤さんは「世代を超えた訴えと真実をカラーで残すために、ぜひ皆さんのご協力をお願いしたい」と寄付を呼び掛けている。佐藤さんTel070(5520)8755。寄付金は郵便振替でHPS国際ボランティアの口座01330―0―58136で受け付ける。(二井理江)

(2014年5月5日朝刊掲載)

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