×

ニュース

金座街 復興の歩み 被爆6年後の写真発見 

■記者 新田葉子

 広島市中区、金座街商店街の被爆から6年後の写真が、同区基町で6月に79歳で亡くなった三上節子さんの遺品から見つかった。市公文書館は「昭和20年代の写真は少ない。復興過程や当時の暮らしがわかる貴重な資料」と評価している。

 「昭和26(1951)年ごろ」と裏書きされた写真は、キリンビヤホール(現在のパルコ広島店)の上階から北向きのアングル。現在も続く「アカデミイ書店」の看板の一部が見える。商店街の先には、52年に白島通りに移設された広島電鉄白島線の軌道も。

 50年から99年まで商店街で洋服店を営んでいた長尾吉将さん(85)は「まだあちこちに原爆のつめ跡が残っていた時代。当時を記録する資料が出てきてうれしい」と喜ぶ。

 写真は三上さんの夫章次さんが知人から譲り受け、2007年に亡くなってからは三上さんが保管してきた。先月、長女の難波恵子さん(57)=東区=らが遺品を整理する中で見つけた。

 難波さんは「役に立てば両親も喜ぶ」と、近く市公文書館に寄贈する。

(2010年7月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ