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「あの日」伝えたい 追悼祈念館で被爆体験朗読 広島市中区

 被爆体験記の朗読会が5日、広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館であった。県内外から訪れた49人が被爆者の手記や詩に聞き入り、平和の大切さをかみしめた。

 原爆被害をまとめたDVDを見た後、松尾洋子さん(64)=安佐北区=たち朗読ボランティア6人が読み上げた。自宅の下敷きとなり、亡くなっていく幼子を抱きしめることしかできない母親、帰らない姉を待つ妹、通りを埋める遺体の山…。参加者は目を閉じ、あの日の情景を追体験していた。

 徳島県石井町から訪れた会社員一宮栄司さん(59)は「展示を見たり文字を読んだりするより、原爆の悲惨さを強く実感できた」と受け止めていた。

 同館の朗読会は、被爆体験のない人に記憶を共有してもらおうと2004年度からスタート。毎月第3日曜に開いている。昨年からはFFなどに合わせ、大型連休中にも特別開催している。(久保田剛)

(2014年5月6日朝刊掲載)

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