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再検討会議へ勧告案 NPT準備委 議長 核の法規制など列記

 米ニューヨークの国連本部で開かれている2015年核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第3回準備委員会で7日、エンリケ・ロマン・モレイ議長(ペルー)が、再検討会議の討議テーマや道筋を示す勧告草案を各国代表に明らかにした。核兵器を法的に規制する枠組みの検討など、各国の主張を踏まえた提言を列記している。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 「核軍縮」「核不拡散」「原子力の平和利用」など5項目からなる。「核軍縮」では各国からの提案を紹介。核兵器の使用で生じる「悲惨な人道的結末」に国際社会は対応できないと強調し、「全人類に及ぶ惨状」についてのさらなる検討を掲げた。国連の潘基文(バンキムン)事務総長の核軍縮提案に触れる形で、核兵器のない世界を達成し維持する法的な枠組みの交渉にも言及した。

 一方、来年の再検討会議では核兵器保有国による報告書や作業文書を精査し、軍縮義務の完全な履行のための次のステップを考えるよう促した。現実的な軍縮措置として、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効なども再確認すべきだとしている。

 「地域問題」では、12年に開催予定だった中東の非大量破壊兵器地帯化に向けた国際会議に関し「合意が取れ次第、今年中に開く」とした。核開発計画を進める北朝鮮に対しては、4度目の核実験の自制と「全ての核計画」を放棄した上でNPT体制への復帰を求めた。

 7日、モレイ議長は「意見の違いを乗り越え全会一致で採択したい。難題だが政治的意志があれば可能だ」と述べ、会期最終日の9日までの決着に意欲を示した。

(2014年5月9日朝刊掲載)

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