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原爆献水調査の成果 広島国際学院大「銘水研」が本作製

■記者 小山顕

 広島国際学院大(広島市安芸区)の学生たちでつくる「広島銘水研究会」が、23年間にわたって「原爆献水」の水源や水質を調べた成果を本にまとめた。水質環境の変化を知ってもらおうと、市内の図書館や公民館に贈る。

 書名は「原爆献水」でA5判、117ページ。毎年8月6日に平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑にささげる水の採水地など広島、呉市の19カ所の環境や歴史を写真付きで紹介している。大腸菌群やフッ素の量など23~24項目の表も掲載。1988年~2009年の分析結果をまとめた。

 安芸区阿戸町の景浦名水は、水源の周りの間伐が行き届き、水質が極めて良いと評価。安佐北区安佐町の小河内名水は、住民による保存会の活動も取り上げている。一方、道路の融雪剤や調整池から流れたごみで水が汚れた事例も載せ、水質悪化への警鐘を鳴らす。  研究会会長を務める同大の佐々木健教授(60)は「平和を祈る献水とその水環境について考えるきっかけにしてほしい」と願う。

 研究会メンバーで同大大学院生の細川雄一さん(24)は「一つの節目。今後もきれいな水をささげるため分析を続けたい」と決意を新たにしていた。

 1500部作製。一般にも1部300円で販売する。同大Tel082(820)2680。

(2010年7月31日朝刊掲載)

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