×

ニュース

8・6に祈りの創作舞踊 平和公園で安佐町の西井さん

■記者 有岡英俊

 広島市安佐北区安佐町の工芸作家で舞踊家の西井えみこさん(63)が8月6日、中区の平和記念公園で、平和への祈りを込めた創作舞踊「折り鶴」を舞う。被爆者だった母の供養も兼ね、2008年から毎年続けている。

 折り鶴は、原爆で子どもと離ればなれになった母親がテーマ。がれきの中を捜し求め、亡くなったわが子を抱きしめる様子などを表現する。「夢もみぬ間のみじかき命 せめて着せたい夏衣」と、子どもを奪われた被爆者たちに思いをはせて作った詩を歌いながら舞う。

 母秋子さんは東区牛田新町の自宅で被爆。2002年に85歳で亡くなった。被爆当時のことは語りたがらなかったという。2003年に原爆慰霊碑の死没者名簿に母の名前が記載された。西井さんは自身が被爆2世だということを実感し、平和への願いを舞に託したいと考えるようになった。

 午後9時から、原爆慰霊碑のそばで約4分間の舞を2回踊る。「慰霊碑は母の墓標と思っている。ささやかな舞だが、見てくれる人と平和の願いを共有したい」と決意している。

(2010年7月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ