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復興の歩み 広島で学ぶ ミンダナオの8人

 フィリピン南部ミンダナオ島に2016年発足する自治政府の職員候補8人が12日、広島市での研修を始めた。広島大や広島県などの招きで、6月初旬まで被爆地の復興の歩みや地方行政の実務を学ぶ。現地では政府とイスラム武装勢力の紛争が続いていたが、3月に当事者間で武装解除や自治政府設立を柱とする和平合意が成立している。

 いずれもモロ・イスラム解放戦線(MILF)のメンバーで20~50代。バンサモロ(イスラム教徒や少数民族の国)自治政府の職員として働くことが想定されている。12日は、中区の原爆資料館などを視察した。

 ラシット・ラディアサンさん(40)は「40年以上紛争が続いたので容易ではないが、平和をつくり維持する方法を持ち帰りたい」と抱負を語った。広域自治体行政の仕組み、窓口サービス論などの講義のほか、呉市などでの実地研修に臨む。

 国際協力機構(JICA)の資金を使った事業。県は国際平和拠点ひろしま構想の一環と位置づけている。

(2014年5月13日朝刊掲載)

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