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米に贈呈 絵や書「一時帰国」展始まる 中区の本川小

■記者 二井理江

 被爆の傷跡が残る1947年に米国の教会から支援物資として届いた鉛筆やノートのお礼に、広島市中区、本川小の児童が贈った絵や書の「一時帰国」展が31日、同小の平和資料館で始まった。制作した当時の児童が、六十数年ぶりの作品との再会を喜んだ。

 作者の所在が分かっている29点を展示。運動会や友達と遊ぶ風景などをクレヨンや鉛筆を使って描いている。神奈川県大和市から訪れた門田芳永子(かえこ)さん(71)は「対面できてうれしい。クレヨンが減るのがもったいなかったのを思い出す」と懐かしんでいた。

 贈られた文房具は米国の子どもが集めた。同小体育館であったオープニングセレモニーでは、教会関係者や当時の児童によるパネルディスカッションもあり「戦争で壊れた人類愛が、子どもたちによって再生された」「次はわれわれが米国に行って交流を続けたい」などの意見が出た。

 1日からの一般公開では、全作品48点を展示する。9日まで。無料。

(2010年8月1日朝刊掲載)

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