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「原爆の子」手記筆者が朗読 広島市南区「ムシカ」

 平和を訴える催し「魂のコンサート」が13日、広島市南区の純音楽茶房ムシカであった。原爆被害に遭った少年少女の体験記集「原爆の子」に手記を寄せた一人、早志百合子さん(77)=安佐南区=が、自らの文章を初めて朗読した。

 市民約40人を前に、早志さんは中学2年の時に寄せた手記を一言一句はっきりと朗読。1951年の出版後、本を開くのを避けてきたことを明かし「年を重ねた今なら、体験を伝えることが生き残った自分の使命だと思える」と語った。

 原爆の子を題材にした映画「ひろしま」の全国上映に取り組む、映画プロデューサーの小林一平さん(67)が企画。被爆翌年の大みそかにムシカで流れ、人々を勇気づけた「第九」鑑賞もあった。

 米国の大学院1年踊場(おどりば)あいさん(24)は「平和教育で被爆体験は聞いてきたが、大人になって聴くと心にしみる」と話した。(西村萌)

(2014年5月14日朝刊掲載)

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