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在外被爆者 初の提訴へ 原爆症認定 却下取り消し求め

■記者 金崎由美

 広島で被爆したブラジル被爆者平和協会の森田隆会長(86)=サンパウロ在住=が、原爆症認定申請の却下処分を取り消すよう国に求める訴訟を広島地裁に起こす方向で検討していることが1日、分かった。在外被爆者が原爆症認定をめぐって提訴するのは初めてとなる。

 森田さんは爆心地から1.3キロの路上で被爆した。昨年6月に帰国した際、心筋梗塞(こうそく)を理由に広島県を通じて原爆症の認定申請をしたが今年5月20日、却下通知が届いた。

 原爆症認定基準は、日本各地での集団訴訟で原告勝訴が相次いだのを受け2008年4月に緩和され、心筋梗塞も一定条件で積極認定をする対象となっている。

 在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会の田村和之代表世話人は「早ければ9月中にも提訴する。全力で支援する」と話している。

(2010年8月2日朝刊掲載)

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