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各地で慰霊祭 広島の段原中 広島南特別支援学校や縮景園でも

■記者 林淳一郎

 広島原爆の日に向け、日曜日となった1日、各地で原爆犠牲者を悼む慰霊祭が営まれた。

 旧広島市立第一国民学校(第一高等小学校)があった広島市南区の段原中では、卒業生や在校生約500人が参列。慰霊碑に花束や折り鶴を手向けた。

 来春、地区再開発に伴い、学校も慰霊碑も南東に約200メートル移転する。一高会原爆慰霊碑建設委員会の戸井五郎会長(80)は「私のきょうだい、子どもも通った。移転は寂しいが、慰霊の心をしっかりとつないでいきたい」と話していた。

 中区の県立広島南特別支援学校では、同窓会員ら11人が参加。原爆で犠牲になった耳の不自由な人を悼む「原爆死没ろう者を偲(しの)ぶ碑」に全員で手を合わせた。入市被爆した中区の吉上厳さん(76)は「被爆後は仕事がなく、苦労した」と振り返っていた。

 1987年に64体の遺骨が発掘された中区の縮景園では、慰霊供養式に約70人が集まった。庭園を望む清風館に設けた祭壇に茶や花を供え、琴の音色で犠牲者を悼んだ。

(2010年8月2日朝刊掲載)

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