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判断 再び1年先送り 上関埋め立て 中電に山口県 6度目補足説明要求

 中国電力の上関原発建設予定地(山口県上関町)の公有水面埋め立て免許の延長申請で、山口県は14日、中電に6度目の補足説明を求める文書を郵送した。回答期限は1年後の来年5月15日。昨年3月に続いて再度、延長の可否判断を1年間先送りにした。その間、免許は失効しない。

 2月に就任した村岡嗣政知事が、延長申請をめぐる判断を示すのは初めて。村岡知事は「中電から一定の説明はあったが、許可、不許可を判断できる十分な材料がなかった」と述べた。

 県によると、中電は回答文書で「国はエネルギー基本計画で原子力を重要なベースロード電源とした。エネルギーミックスの構築などで上関原発も当然に位置付けられると認識している」と主張。これに対し、免許権者である村岡知事は「十分な説明が尽くされていない」とした。

 県は具体的な質問内容を「審査中で示せない」とした。中電広報部門は「文書が届いておらず詳細は分からないが、延長申請が許可されるよう引き続き審査に対応する」とした。

 中電は免許期限が切れる直前の2012年10月、3年間の延長を申請。故山本繁太郎前知事は当初、「不許可処分することになる」と明言した。だが昨年3月に方針転換し、可否判断の1年程度の先送りを表明。公有水面埋立法に基づいて判断するとし、村岡知事もこの考えを踏襲していた。

 県の審査期間はすでに通算77日間となっており、内規で定めた32日間を2倍以上超過している。(村田拓也、山本洋子)

上関原発計画
 中国電力が山口県上関町で計画する改良沸騰水型軽水炉。1、2号機の出力はいずれも137万3千キロワット。埋め立てる海域は約14万平方メートルで、県は2008年10月に公有水面埋め立てを免許した。中電は09年10月に作業を始めたが、福島第1原発事故の影響などから中断。期限切れ直前の12年10月、免許の3年間の延長を県に申請した。

(2014年5月15日朝刊掲載)

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