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運動施設の概要判明 米軍と市民の共用部分 愛宕山造成 基本設計

 岩国市の愛宕山地区に国が整備する米軍施設のうち、市民と共同で使う運動施設の基本設計の概要が14日、情報公開請求で開示された文書で分かった。大半の施設が2017年10月までに完成予定で、米海軍厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機移転は同時期以降になる可能性が高い。

 愛媛大元教授の本田博利さん(66)=廿日市市=が中国四国防衛局に情報公開請求し、米軍家族住宅エリアの一部を除いた基本計画の大部分が7日、開示された。

 開示された文書によると野球場は両翼100メートル、中堅122メートル。屋根付きの観客席と芝生スタンドで約8千人を収容できる。周辺に二つのソフトボール場やバーベキュー場、ドッグパークなどを配置する。

 サッカー場も兼ねる陸上競技場は観客席800席と930人分の芝生スタンドを設け、400メートルトラック8レーンとジョギングレーンなどを備える。

 市は国から施設配置案が示された後の10年11月、「野球場は高校野球の公式試合が行える規模」など仕様に関する4項目を要請。基本設計は市の要請を満たす内容となっている。

 工程表によると、野球場や米軍家族住宅は来年度の着工を予定。大半の施設は米軍が求める17年10月までの完成を目指す。計画通りに進めば、空母艦載機は同時期以降に移転するとみられる。

 防衛局によると現在は実施設計の途中で、6月末までに終える予定。市と住宅建設に反対する市民団体は、実施設計を終えた段階での計画全体の説明会開催を求めており、防衛局は「市と調整する」としている。(野田華奈子)

愛宕山地区の米軍施設整備
 2017年ごろに予定される米海軍厚木基地(神奈川県)から米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転に伴い、国が整備する。米軍家族住宅エリア(約28ヘクタール)と運動施設エリア(約16ヘクタール)からなる。家族住宅は270戸程度で、運動施設エリアには野球場や陸上競技場、アリーナを備えたコミュニティーセンターなどを配置する。中国四国防衛局によると運動施設エリアは原則、身分証などのチェックなしに市民が利用できる形で整備するという。近く造成工事に着手する。

(2014年5月15日朝刊掲載)

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