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海田町新人研修 陸自に体験入隊 広島県内自治体初 中国地方 動き広がる

 広島県海田町は、本年度採用の新人職員研修に自衛隊への体験入隊を初めて取り入れる。集団生活で規律やマナーを身に付けるのが狙いで、県内の自治体では初めて。中国地方では導入が広がりつつある。

 同町の陸上自衛隊第13旅団海田市駐屯地で体験する。新採用の大卒男女5人ずつ計10人が20日から、県内の企業など5団体の39人と一緒に2泊3日のプログラムを受ける。迷彩服を着て整列や隊列行進などの指導を受け、自衛隊の活動についても学ぶ。清掃や点呼があり、午前6時の起床から午後11時の消灯まで規則正しい生活を送る。

 これまで同町の新人研修は、町と県自治総合研修センター(広島市中区)で計9日間受ける講義や体力づくりなどだった。自衛隊研修を加えた理由について山岡寛次町長は「近年の採用者は体力的に弱く、大きな声であいさつできない人が目につく。地元に駐屯地があるので、厳しい時間管理や集団訓練を体験して業務に就いてもらいたい」と話す。

 海田市駐屯地では毎年4~6月に体験者を受け入れ、本年度は海田町を含め企業など29団体の計458人が参加する予定。

 中国地方では、岡山県奈義町が2007年、同県矢掛町が12年、鳥取県北栄町が13年からそれぞれ研修に採用。本年度からは海田町のほか長門市、総社市、美作市が加わった。各県にある陸自駐屯地で実施している。(田中伸武)

(2014年5月16日朝刊掲載)

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