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「ヨウ素」除去のフィルター設置 島根2号機 完成10月以降か

 中国電力は16日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)の稼働に欠かせないフィルター付き排気(ベント)設備に、ガス状の放射性ヨウ素を取り除くフィルターを追加設置する工事を月内にも始めることを明らかにした。5~6月としていた完成時期はずれ込み、稼働の条件となる設備では最も遅い10月以降になる可能性も示した。

 ベントは原子炉圧力容器の圧力を下げるため、放射性物質を薄めて蒸気を排出する設備。2号機再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査で1月、セシウムなどに加え、ガス状の物質の除去も検討するよう指摘されていた。

 新たなフィルターは円筒形で直径3メートル、高さ4・6メートル。ヨウ素を98%除去できるという。ベント全体の工事は昨年5月から2号機そばで進めており、追加で設ける。3号機そばのベント設備にも設置する方針。

 この日、原発30キロ圏の島根、鳥取県と両県6市の担当者20人を集めた会議を松江市で開き、説明した。中電は「住民の不安が大きい問題でもあり、審査での指摘に誠実に対応する」とした。(樋口浩二)

(2014年5月17日朝刊掲載)

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