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大震災の猛威まざまざ 林忠彦賞の笹岡さん、周南で写真展始まる

 第23回林忠彦賞を受賞した広島市安佐南区出身の写真家笹岡啓子さん(36)=東京都=の写真展「Remembrance」(記憶、想起)が16日、周南市美術博物館で始まった。25日まで。無料。

 受賞作品は、東日本大震災後の東北地方を中心に撮った作品を収めた小冊子41冊。写真展では90点を展示する。会場を訪れた笹岡さんは、地元住民が震災後に「原爆が落ちたあとみたい」と表現したという岩手県大槌町で撮影した作品を前に、「確かにヒロシマに似ていると感じ、受け止める糸口を得て、初めてシャッターを切った」と振り返った。

 作品のテーマについて「原爆投下や津波など何かが起きた後、その土地がどう変化するのかを見つめ、私なりに寄り添いたい」と語った。17日午後2時から同館で「写真を撮るということ」と題して講演する。

 同賞は周南市出身で人物写真の第一人者である林忠彦(1918~90年)を顕彰して1991年に創設された。(滝尾明日香)

(2014年5月17日朝刊掲載)

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