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社説・コラム

『ワレオモウ』 阿戸中3年・鉄穴知哉 広島宣言

「核非合法化」なく残念

 4月に広島市であった、核兵器を持たない12カ国でつくる「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」の外相会合の記事を中国新聞で読みました。特に興味深かったのは、最後に採択した「広島宣言」です。

 宣言では、NPDIで初めて核の非人道性に言及。広島で生まれ育った私は共感しました。

 しかし、核兵器の非合法化についての表現は見当たりませんでした。「核の傘」に頼る国の声を尊重したからなのでしょう。日本も同様です。

 なぜ、私たちは恐ろしい核兵器に守られているのでしょうか。今の平和が核兵器で保たれているならば、それは私たちが望む世界ではありません。被爆地広島から発信する宣言で非合法化を訴えなかったことが、納得できません。

 核兵器を造ってしまうのは人類。でも、廃絶することができるのも人類です。核なき世界を全人類が望み、実現する日まで―。私も平和について学び、発信できるようになりたいと思います。

(2014年5月17日朝刊掲載)

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