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自転車で核廃絶訴え世界旅 ノルウェーの平和団体代表 ニアランドさん 崇徳高訪問

 自転車をこぎながら世界各国を回り核兵器廃絶と平和を訴えているノルウェーの平和団体「バイク・フォー・ピース」のトーレ・ニアランド代表(60)が、広島市を訪れ、崇徳高(西区)の授業に参加して自らの活動を紹介した。

 ニアランドさんは3月中旬に英国を出発して、約70日間で米国、中国など7カ国を巡る旅の途中。視覚障害があるため、2人乗り自転車の後部座席に座り、訪問国に住むメンバーや自転車愛好家と一緒にこいでいるという。今回は、被爆地の若者との交流を希望し、広島県被団協(金子一士理事長)の関係者と訪れた。

 1年6組の教室でニアランドさんは、通訳を介して英語で講義。15歳で視力が急激に低下し、一時は生きる希望を失ったが、「広島を旅した35年前、病で寝たきりの被爆者と出会い、『思いやりを持って生きて』と励まされたことで人生が変わった」と語った。「被爆地の若者も平和のために行動してほしい」と呼び掛けた。

 話を聞いた中矢純人さん(15)は「核兵器が使われたらどうなるのか、世界ではまだ理解されていないと知った。自分も一緒に自転車に乗りたい気持ちになった」と話していた。(金崎由美)

(2014年5月19日朝刊掲載)

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