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若者視点 ヒロシマ伝える 安田女子大が修学旅行生受け入れ 平和公園巡り意見交換 広島市中区

 安田女子大(広島市安佐南区)の学生が18日、平和学習で広島を訪れた修学旅行生の受け入れを始めた。同世代の視点を生かした案内と交流で「ヒロシマ」を身近に感じてもらう狙い。平和記念公園(中区)を巡って意見交換をした。(川手寿志)

 現代ビジネス学部の畑井淳一准教授(英語教育学)のゼミで学ぶ3、4年生12人が、静岡県裾野市の須山中3年生22人をガイドした。

 原爆資料館では、投下直後に廃虚となった市街地の模型や放射線被害を伝える写真を説明。原爆慰霊碑には死没者名簿が納められていることを紹介し、「被爆者が全員亡くなる日がいつか来る。若い世代が受け継ぐことが大事」と呼び掛けた。

 戦前の本通りのにぎわいを収めた写真パネルでは「広島の原宿」と若者ならではの発想で紹介。公園内の原爆の子の像や原爆ドームも案内した。

 昨年7月、県内の自治体や旅行業者でつくる県教育旅行誘致協議会から打診を受けたのがきっかけ。学生は原爆資料館を5回訪れ、案内文や巡回ルートを考えた。同協議会が仲介し、2012年から修学旅行で訪れている須山中が日程に組み込んだ。同中3年大場庸平君(14)は「分かりやすかった。平和の大切さを家族や友人に伝えたい」と話していた。

 本年度は、川崎市と鹿児島県薩摩川内市の中学生も案内する。同大4年前響子さん(21)は「広島で生まれ育っても知らないことを学ぶ機会となった。次の世代に伝える使命感も生まれた」と力を込めていた。

(2014年5月19日朝刊掲載)

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