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人不足 地域の建設事情 被爆70年に間に合わず 原爆ドーム隣のビル改修 広島マツダ1年遅れ

 マツダ車を販売する広島マツダ(広島市中区)が、原爆ドーム(同)の隣で計画するオフィスビルの大規模改修の終了を、1年遅らせて2016年夏とすることが20日、分かった。被爆70年の来夏完成を目指したが、工事の技術者が不足して業者決定に時間がかかり、間に合わなくなった。

 ドームの東90メートルに立つ12階建ての「広島マツダ大手町ビル」を改修し、展望テラスなどを備える「広島ピースタワー」(仮称)へとリニューアルする計画。当初は昨年12月に着工し、15年夏に開業するスケジュールを組んでいた。

 ところが、景気の回復傾向などに伴う現場監督や職人の不足から受注業者の選定が遅れ、着工はことし3月にずれ込んだ。工事は今月下旬から本格化する。改修工事の終了やピースタワーの開業は16年夏へと1年先延ばしした。

 ピースタワーは展望テラスに加え、平和学習にも使える会議室や地元の食品などを販売する物産館などを整備。年38万人の一般利用を見込んでいる。

 「被爆70年の節目に完成できなくなり残念」と広島マツダの松田哲也社長。「職人が不足している。原爆ドーム隣のビル改修で、工事は安全を最優先している。工期延長は仕方がない」と話した。(山瀬隆弘)

(2014年5月21日朝刊掲載)

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