×

ニュース

米アカデミー賞監督の原爆映画出演 湯崎知事をインタビュー撮影

■記者 加納亜弥

 米アカデミー賞ドキュメンタリー部門を受賞したマルコム・クラーク監督(57)が3日、県庁で湯崎英彦知事のインタビューを収録した。原爆資料館(広島市中区)などを題材にしたドキュメンタリー映画の撮影の一環。湯崎知事は「メッセージを発し続けることが、被爆地の責任」とカメラに訴えた。

 日本とカナダの合作映画で、仮題は「戦争のない世界へ」。かつて原爆資料館を訪れたり、平和運動に携わったりしてきた著名人約60人のインタビューなどで構成する。

 3日、クラーク監督は湯崎知事に約50分、原爆の惨禍を語り継ぐ意義や、新しいリーダーが世界平和に果たす責任について尋ねた。終了後、湯崎知事は「世界中にヒロシマの思いを感じてほしい」と語った。

 3月に撮影を始め、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官やフデレリク・デクラーク元南アフリカ大統領たち10人への取材を終えた。今後、広島市の秋葉忠利市長や、ノーベル平和賞受賞者を取材する。日本での公開は来年夏を予定する。

 英国出身のクラーク監督は「今なお続く国家や民族の対立を和解に導く糸口を探りたい」と話している。

(2010年8月4日朝刊掲載)

関連記事
「広島の力 映画で表現を」 米クラーク監督が原爆資料館を見学(10年2月18日)
 

年別アーカイブ