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日系人交流「橋渡し役に」 東広島でJICA 7月まで研修

 中南米への移民の子孫が日本社会の現状や文化を学ぶ国際協力機構(JICA)の研修が20日、東広島市で始まった。現地で日本の姿を正しく伝えてもらうのが狙い。ただ1人の研修生で、母が江田島市出身の日系ブラジル人2世、小笠原由香タニアさん(40)は「日本とブラジルの橋渡し役になりたい」と語った。(新本恭子)

 この日は、JICA中国の大田孝治所長、続いて研修を担うひろしま国際センターの渡辺邦男常務理事にあいさつした。茶道や俳句などを体験し、日本で働く日系人への支援や市民交流の現状も見て回る。ネットワークづくりにも努める。

 2世、3世が増えた日系人社会で、日本について誤った知識が伝わっている事例もあると、センターが研修を企画した。日本を紹介する現地の資料の挿絵が、弁髪の人物だった例もあるという。

 小笠原さんは、母泰子さん(72)と北海道出身の父義元さんの長女として、サンパウロ市で育った。父は2009年に74歳で死去し、移民の歴史や日本的な考えに触れる機会が減ったと危機感を覚えていた。研修は7月までで、「母国のため何ができるかも探りたい」と力を込めていた。

(2014年5月21日朝刊掲載)

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