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産業奨励館模型 呉高専生が制作 県立美術館で展示

■記者 加田智之

 呉高専(呉市阿賀南)で建築を学ぶ学生6人が、広島市中区にあった被爆前の旧県産業奨励館(原爆ドーム)の復元模型を制作した。5日から中区の県立美術館で始まる企画展で展示される。

 模型は10分の1サイズで、幅3.6メートル、高さ2.5メートル、奥行き3メートル。設計当時の図面を広島市がコンピューターで正確に書き直した図面を基に、奨励館の外装や内部を忠実に再現。切断した断熱材で壁や床を作り、外壁の波形の装飾なども正確に作った。

 美術館側から要請を受け、建築学科と専攻科(建設工学)の学生が4月に制作を始めた。指導した冨田英夫准教授(36)は「奨励館は外壁も緩やかな曲線を描いているが、そうした点も細かく再現できた」と評価する。

 模型は、中国新聞社などが主催する企画展「廣島から広島 ドームが見つめ続けた街展」で展示される。専攻科2年の広川修司さん(21)は「館内は柱が少なく、展示するのに適した建物だったことが分かった。装飾までリアルに再現できて満足している」と話している。

(2010年8月4日朝刊掲載)

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