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評価と批判交じる 岩国爆音訴訟原告団 厚木基地騒音訴訟判決

 厚木基地の騒音訴訟で、初めて国に自衛隊機の飛行差し止めを横浜地裁が命じた21日、米海兵隊岩国基地(岩国市)の騒音被害の賠償などを求めている岩国爆音訴訟原告団の津田利明団長は「画期的だ」と評価した。今後の判決に期待をのぞかせる一方、米軍機が差し止め対象にならなかったことに批判も交じった。

 横浜地裁判決を受け、岩国市役所で会見した津田団長は「自衛隊機だけでも認められたのはよかった。一歩進んだと思っている」と笑顔を見せた。

 米海軍厚木基地から岩国基地へは、米軍再編に伴い2017年ごろまでに空母艦載機部隊の移転が予定される。だが判決は、米軍機への飛行差し止め請求については退けた。「もっとひどい騒音を振りまく米軍機はどうなのか。岩国では骨太の判決を」と、移転までの全面勝訴を強く望んだ。

 岩国爆音訴訟は2009年3月、山口地裁岩国支部に提起された。空母艦載機移転や米軍機、自衛隊機の夜間飛行差し止め、騒音被害の賠償などを求めている。原告は現在、岩国基地の周辺に住む654人。(野田華奈子)

(2014年5月22日朝刊掲載)

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