×

ニュース

ネット寄付で「回天」伝える 周南の協会 活動資金募る

 山口県周南市大津島に訓練基地があった旧日本軍の人間魚雷「回天」を全国に伝え、平和を考えるきっかけにする「平和の島プロジェクト」の活動資金を、周南観光コンベンション協会(周南市)がインターネットを使った資金調達「クラウドファンディング」で募っている。プロジェクトを全国にPRする狙いもある。

 同協会が寄付サイトの「ジャストギビング」に12日、登録した。目標金額や期限を設定しない手法で、5千円▽1万円▽3万円▽5万円―の4種類で寄付を募る。金額に応じ、今後作成するホームページに協力者として名前を載せたり、関連グッズを贈ったりする特典を用意した。

 プロジェクトは同協会が3月に始めた。これまでに回天にちなんだデザインのカレーや弁当、ボールペンなどを発売。平和をテーマにしたスピーチ大会開催や、県外でのPR活動を予定しており、寄付金で費用を賄う。

 同協会の竹島幸伸事務局長(45)は「ジャストギビングには活動報告のスペースもある。随時更新して回天の歴史や搭乗員の思いを伝えたい」と話している。(桑田勇樹)

回天
 多量の爆薬を搭載した魚雷に、1人乗りの操縦室を取り付けた特攻兵器。旧日本軍が1944年に採用。周南市の大津島などから潜水艦で20歳前後の若者が出撃し、敵艦に体当たりした。訓練を受けた搭乗員1375人中、106人が戦死。整備員なども含めると死者は145人に上った。

(2014年5月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ