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元米兵 広島で劣化ウラン弾の実態証言

■記者 境信重

 湾岸戦争から帰還した元米兵で平和活動家のデニス・カインさん(38)=カリフォルニア州在住=が18日、広島市中区のアステールプラザで同戦争で使用された劣化ウラン弾(DU)の健康被害について講演した。戦場で体に障害が起き、今でも後遺症に苦しむ帰還兵の実態を明らかにした。

 県保険医協会が主催し、75人が参加。カインさんは「戦争中にサウジアラビアから陸路でバグダッドに向かう途中、自分の部隊の隊員たちが嘔吐(おうと)や下痢を訴え、戦闘不能になった」と証言した。自身も帰還後、5年間にわたり体調不良が続いたという。

 帰還兵で重度の呼吸障害や慢性疲労に苦しむ義兄にも触れ「働けず、政府の補償で生活している状態だ」と窮状を訴えた。

 米国政府は帰還兵の症状について、DUによる放射線障害との因果関係を否定している。カインさんは「国連がDUの使用を禁止するべきだ。帰還兵やイラク人の医療保障も必要だ」と指摘した。

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