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ビッグデータ解析システム設置 島根原発2号機に来月下旬 異常の兆し早期発見へ

 中国電力は23日、設備の故障や異常の予兆を早期発見するシステムを島根原子力発電所2号機(松江市)に6月下旬に設置すると発表した。圧力や温度など膨大な「ビッグデータ」の関連性を解析し、自動的に「いつもと違う動き」を見つける。再稼働に備え、安全対策を強める。

 島根2号機は運転時、原子炉やタービンなどに設置したセンサーで温度や振動など約2500種類のデータを常時監視している。ただ、個々のデータに異常があるかないかを調べる方式のため、故障の予兆を把握するには運転員の経験に頼る部分が大きい。

 「故障予兆監視システム」は東日本大震災後の2011年8月から開発をスタート。共同開発相手のNEC(東京)が持つ「ビッグデータ解析」の技術を活用し、これまで島根2号機で蓄積してきた膨大なデータを、それぞれのデータの関連性も含めてコンピューターで解析。運転時のデータと比べることで早く、正確に予兆を発見できる。発生場所の推定もでき、作業員の負担軽減にもなる。

 中電の開発費、コンピューターなどの導入費は計数億円。再稼働に向けて現地で検知感度などを調整する。中電は「安全性の向上につなげたい」としている。NECによると、他の発電所や工場に応用できる可能性もあるという。(山本洋子)

(2014年5月24日朝刊掲載)

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