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未来型 広島観光探る 目の前に情報 高評価 眼鏡型端末 官民協議会が実証テスト

 眼鏡型のウエアラブル(身に着けられる)端末を観光案内に生かす実証テストが26日、広島市中区の平和記念公園であった。中国総合通信局や通信・放送事業者、自治体など60団体でつくる「山陰・山陽スマート観光プロジェクト推進協議会」主催。小型のディスプレーに写真や案内文、地図などが素早く表示され、参加者からは「便利」などと高い評価が聞かれた。(中島大)

 IT関連大手のグーグル社が開発した眼鏡型端末「グーグル・グラス」と、スマートフォン向けの観光情報のアプリを組み合わせた。

 眼鏡型の端末は約50グラム。実証テストには一般の2人が参加した。小型ディスプレーには原爆の子の像の写真や説明などが表示され、眼鏡のフレームを軽くたたいたり、なでたりして操作した。

 テストを終えた会社員丸山馨子さん(48)は「指1本で簡単に操作ができ、観光情報を得ることができた。スマホより疲れず、快適」。中国総合通信局の斉藤一雅局長は「観光地でレンタルするなどの実用化が十分考えられる」と話した。

 協議会は今後もテストを続け、実用化に向け改良を重ねる。協議会会長の広島大情報メディア教育研究センターの相原玲二センター長は「ディスプレーに集中しすぎて、つまずくなどの危険性をどう克服していくかが課題だ」と指摘した。

ウエアラブル端末
 身に着けられる小型情報端末の総称。次世代のコンピューターとして注目を集め、国内外で開発が進んでいる。眼鏡型や腕時計型があり、手ぶらのままインターネット検索や写真、動画撮影、翻訳機能が使える。近年、国内外の電機メーカーやIT企業の開発競争が激化している。

(2014年5月27日朝刊掲載)

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