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中電回答全て黒塗り 上関埋め立て免許申請補足説明 批判や制度欠陥指摘の声

 中国電力の上関原発建設予定地(山口県上関町)の公有水面埋め立て免許の延長申請で、山口県は26日、中国新聞の情報公開請求に対し、中電に求めた5度目の補足説明の回答書面を開示した。添付書類を含め全37枚の回答部分は全て黒塗りにされていた。県民から批判や制度の欠陥を指摘する声が出ている。

 開示された書面のうち、回答部分は本文7枚、添付書類30枚で構成。県は12日付の開示決定通知で、回答部分を非開示とする理由を「開示すると法人に不利益を与える恐れがある上、県や国の意思形成に著しい支障が生じる恐れがある」と記載している。

 県は2012年11月以降に中電から受け取った4度の回答も同じ理由で内容を非開示にしてきた。村岡嗣政知事は4月10日の中国新聞のインタビューで「審査が終わった段階では公開できる情報は出し、判断に至った説明をしないといけない」と現時点での開示に否定的な考えを示していた。

 こうした県の対応を「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の清水敏保代表(59)は「審査が延びれば原発のないまちづくりが停滞する。中電とのやりとりを知る権利が地元にはある」と批判。3月に埋め立て不許可を求める大規模集会を開いた実行委員会の草地大作事務局長(40)=防府市=は「命に関わる問題で秘密裏に審査を進めるのは問題」と、開示範囲を県が決める制度の在り方に疑問を投げかける。

 県は中電に求めた昨年3月の5度目の補足説明で、国のエネルギー政策における上関原発の位置付けなどを尋ねていた。回答はことし4月11日付。県は「許可不許可を判断できるだけの十分な材料はない」として今月14日、6度目の補足説明を求める文書を中電に郵送した。回答期限は1年後の5月15日。(門戸隆彦)

(2014年5月27日朝刊掲載)

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