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故谷本牧師の日記を寄贈 遺族、広島流川教会に写し

■記者 増田咲子

 原爆で親を失った子どもを支援する精神養子運動などに尽力した広島流川教会(広島市中区)の谷本清牧師(1909~86年)の遺族が4日、その日記の写しを教会に寄贈した。「広島で何が起きたのかを残したい」。妻のチサさん(94)=広島市西区=たち家族3人が教会を訪れた。

 日記は、わら半紙226枚とノート1冊に書かれた45年8月6日から48年8月31日分。読みやすくするため手書きや、パソコンでの清書も添えた。

 谷本牧師は己斐(現西区)の知人宅で被爆。当日の日記には牧師館や教会があった幟町(現中区)周辺に向かい、被災者の救助に当たった様子が書かれている。

 翌年の8月6日は信徒大会での平和宣言に触れ「外に向って平和を提唱すると言うよりも内に向って深く自らの罪を懺悔(ざんげ)するというものでなければならぬとの結論に達した」と記している。

 受け取った沖村裕史牧師(54)は「大変貴重な資料。教会の歴史編さんにも役立てたい」と話していた。

(2010年8月5日朝刊掲載)

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