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「被爆者」数 20万人割れ 広島・長崎県は1年で6538人減 ピークの半数に

 被爆者健康手帳を持つ人が最新の2013年度末の集計で初めて20万人を割り、ピーク時のほぼ半数になる見通しであることが27日分かった。12年度末の調査では全国で20万1779人だったが、広島、長崎両県だけで1年間に6538人減った。被爆70年が来年に迫る中、その体験の継承と、核兵器廃絶の実現は待ったなしとなっている。

 広島県と広島市、長崎県と長崎市が、それぞれ管理することし3月末時点の被爆者健康手帳所持者(在外被爆者を含む)の速報値をまとめた。広島県内は8万7620人で、昨年同期の9万1690人から4070人減。長崎も2468人減り、これらの数を昨年3月の全国の手帳所持者数から差し引くと、19万5241人になる。厚生労働省は他の都道府県が管理する所持者数の集計を進めており、7月に公表する。

 被爆者健康手帳の交付は原爆投下から12年後の1957年度に始まり、初年度の所持者数は20万984人だった。最も多かったのは80年度の37万2264人。以後、82年度を除き減り続けている。90年ごろの減少数は年間4千~5千人だったが、直近では9千人を超え、加速している。このペースが続けば、被爆者数は14年度末にピーク時の半数を切る公算が大きい。

 自治体別で被爆者数が最も多い広島市では、3月末までの1年間で2636人減った。平均年齢は78・9歳で、前年より0・6歳上がっている。被爆者が相次ぎ亡くなる一方、新たな手帳取得者は100~300人台で推移している。(田中美千子)

(2014年5月28日朝刊掲載)

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