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被爆電車で平和願う 小中生が「体験聞く会」 広島

■記者 林淳一郎

 被爆した路面電車に乗って被爆体験を聞く会が4日、広島市内であった。広島平和教育研究所が開き、小中学生約80人が参加。車窓の街並みに、廃虚だった65年前を重ねながら平和について考えた。

 2班に分かれ、原爆ドーム前電停(中区)から2両の現役被爆電車に乗車した。651号車では、江田島市の下原隆資さん(80)が今も顔に残る傷あとを示し、爆心地から1・5キロの中学校舎内で被爆した当時を証言。焼け野原を歩いた記憶、4日後に父と再会して口にしたトマトの味…。皆実町(南区)などを約1時間巡る車内で「核兵器の怖さを想像して」と訴えた。

 652号車では佐伯区の山城光明さん(78)が、爆心地から1・2キロの中学校庭での被爆した体験を語った。

 南区の青崎小6年熊谷美咲さん(11)は「原爆は多くの命を奪い、心も傷つける。私なりの平和の取り組みをしたい」と話していた。

(2010年8月5日朝刊掲載)

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