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自主憲法制定を優先/受け皿づくり目指す 中国地方選出議員の声 日本維新が分裂へ

 日本維新の会が憲法観の違いなどで分党する方向になった28日、中国地方選出の同党の国会議員もスタンスの違いをみせた。一方、他の与野党の議員は冷静に受け止めていた。

 石原慎太郎共同代表の考えに近いという中丸啓氏(比例中国)は「自主憲法制定は国の背骨に関わる話で、私も選挙戦で訴えてきた。結いの党との合流問題よりも優先する課題だ」と強調。元大阪市議秘書の坂元大輔氏(同)は「これで合流はスムーズに進む。私たちが引き金を引く形で野党再編が一気に活性化する」と期待した。

 維新の会の一部と結いの党が合流すれば、動向が注目されるのは野党第1党の民主党。津村啓介氏(同)は「今回の動きは、野党各党が活発に政策論議をしている中での通過点。引き続き、新しい大きな受け皿づくりを目指す」との考えを示した。自民党幹部は情勢を見守った。河村建夫選挙対策委員長(山口3区)は「分裂した後の2グループが、政府・与党の政策にどういう姿勢を取るのかを見極めたい」と注視する構えだ。(坂田茂、藤村潤平)

情報限られ一様に焦り 広島・岡山の関係者 日本維新が分裂へ

 広島、岡山両県にある日本維新の会の事務所や国会議員の地元秘書は28日、情報収集に追われた。党の岐路を迎えながらも情報が限られ、一様に焦りの色をにじませた。

 広島県総支部が広島市安佐南区に置く事務所には鍵がかかり、人影はない。瀬木寛親事務局長は電話取材に「正式な情報が入らず、やきもきしている」。

 総支部代表の中丸啓氏(比例中国)の地元秘書は「秘書同士で情報交換をしている状態」。福山市を拠点にする総支部幹事長の坂元大輔氏(比例中国)の地元秘書も「坂元がこれからどう動くか、判断を待ちたい」と驚きを隠さない。

 岡山県総支部には党代表代行の平沼赳夫氏(衆院岡山3区)と、国会議員団政調会長の片山虎之助氏(参院比例)が所属。平沼氏の地元秘書は「党から何も連絡がない。対応のとりようがない」と困惑した。

(2014年5月29日朝刊掲載)

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