×

ニュース

命の重さ 劇で訴え あす大手町商高 「あの日」を描く

■記者 小林可奈

 大手町商業高(広島市中区)の演劇班9人が6日、中区の広島国際会議場で創作劇を披露する。原爆で焼失したため、廃校となった大手町国民学校の「あの日」を描く。

 題名は「学校が消えた日」。勤労動員で登校してきた学校で将来を語り合う同級生5人の姿や、朝礼で整列した瞬間に爆風や閃光(せんこう)に襲われる光景を表現する。爆心地から約1キロ。若い命や学校の歩みが一瞬にして奪われた不条理さを5分間の劇で訴える。

 大手町商業高の岡田俊夫校長が、近くに大手町国民学校があった事実を知ってほしいと、生徒に提案した。脚本は4年の落合晶子さん(18)と顧問の高野英朗教諭が考えた。被爆証言を基に描かれた一枚の絵から着想。劇の最後にはこの絵が映し出される。

 生徒は7月から練習を重ね、大手町国民学校の資料を保管している千田小や原爆資料館も訪ねた。6日は市が主催する平和イベントの一環で、正午ごろから演じる。落合さんは「原爆では多くの犠牲者が出た。だからこそ一つ一つの命の重さを伝えたい」と話している。

(2010年8月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ