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『この人』 きょう国連事務総長に質問する舟入高3年生 山本功さん

■記者 増田咲子

 「核兵器廃絶のため、1番の障壁は何ですか」「廃絶後の世界のイメージは」。広島原爆の日の6日、潘基文(バンキムン)国連事務総長に質問する。潘氏は平和記念式典に参列後、舟入高(広島市中区)国際コミュニケーションコースの生徒との平和交流会に臨む。やりとりはすべて英語だ。

 「具体的なプロセスを聞いてみたいんです」。オバマ米大統領の登場以降、高まる核兵器廃絶の機運に期待を寄せる。

 広島市安佐北区出身。家族に被爆者はいないが、小学生のころから被爆体験を聞く機会が多かった。高学年の時、平和記念公園の原爆の子の像にささげた折り鶴が1週間後に放火され、ショックを受けたこともある。

 3月には修学旅行で、ナチスによって村人を虐殺されたフランスのオラドゥール村跡を訪れた。生存者の証言も聞いた。生き残ったことへの負い目、それでも語らなければならないという思い…。広島の被爆者と重なった。「これからは僕らが次代へ伝える責任がある」と思う。

 舟入高の前身、広島市立第一高等女学校は、原爆投下で生徒・教職員計676人が被爆死した。「ヒロシマで感じたことを世界に伝え、核兵器廃絶の原動力にしてほしい」。潘氏に贈る、折り鶴を張って原爆ドームをかたどったモザイク画にもその願いを込めた。

 将来は国際的に活躍できる仕事を目指し、自らヒロシマを伝えたいと思う。安佐北区で両親と3人暮らし。

(2010年8月6日朝刊掲載)

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