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「平和への祈り」英語教材に 広島第一県女の被爆追悼集

 大半が原爆の犠牲になった広島県立広島第一高等女学校(現皆実高)1年生の追悼手記集を英訳した「Prayers for Peace(平和への祈り)」が、大学の英語教材として南雲堂(東京都)から出版された。英文購読の授業などで活用してもらえるよう関係者らは期待している。

 基になった日本語の追悼手記集は、犠牲者の同級生らでつくる有朋会45期追悼の会(宍戸和子代表)が2007年に発行。海外でも読んでもらおうと、遺族や同級生ら19人の手記を抜粋して12年に英訳本を作った。今回、これに朗読CDを付けるなどして教材仕様にした。

 同校では原爆が投下された時、現在の広島市中区小網町一帯で建物疎開作業に出ていた1年生223人が犠牲になった。日本の若者に当時の実態を英語で世界発信してもらう一助に、と宍戸さんらが英語の教科書を多数出版している南雲堂に教材化を持ちかけた。

 宍戸さんは「著名な教科書執筆者たちに翻訳してもらっており、質の高い英語で被爆体験が学べる。ぜひ利用してほしい」と話している。B5判、87ページ。1900円(税別)。一般向けではないため書店販売はしていないが、宍戸さんから個人購入もできる。Tel082(247)6565=ファクスも。(金崎由美)

(2014年6月2日朝刊掲載)

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