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「希望」と「希望せず」拮抗 「岩国市原爆被害者の会」存続調査 高齢化などで運営厳しく

 山口県被団協に加盟する最大組織、岩国市原爆被害者の会が会の存続を問う会員アンケートを実施したところ、存続を「希望する」と「希望しない」が拮抗(きっこう)したことが3日、分かった。同会は16日の理事会で存続について結論を出すとしている。

 アンケートは5月上旬から会員272人に郵送で実施。192人が回答した。会員の高齢化で運営が困難になっている状況を説明して質問し、100人が「規模を縮小してでも継続を希望する」と選択。92人は「継続を希望しない」を選んだ。

 結果は、3日に岩国市麻里布町の市福祉会館であった総会で報告された。藤本伸雄会長(73)は「長年たっても被爆者と家族の悲しみは変わらないが、高齢化が進み、会員数が減少している」とあいさつ。存続に関し「アンケートを基に慎重に議論したい」と話した。

 結果を報告した竹中平一副会長(83)は「できるだけ継続しないといけない」と話した。来賓として出席した県被団協の吉崎博事務局長(65)は「規模の大きい岩国には継続してほしい。被爆2世とどう連携するかが課題」と述べた。

 県内で被爆者健康手帳を所持しているのはことし3月末現在、3434人(平均年齢81・1歳)。岩国市は最多の952人を占める。同会は1995年に発足。県被団協には90年時点で21団体が加盟していたが、現在は7団体に減っている。

 総会では、8月2日からJR西岩国駅のふれあい交流館で開くミニ原爆展の開催など本年度の事業計画を決め学校から依頼のある被爆証言への協力を呼び掛けた。(増田咲子)

(2014年6月4日朝刊掲載)

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