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肉親捜しの足跡たどる 島根県邑南から20時間かけ70キロ

■記者 長久豪佑

 島根県邑南町の平和学習キャラバン「歩こう広島まで」の一行が5日朝、同町から約70キロを歩き、広島市中区の原爆ドームに到着した。65年前、原爆に遭った肉親たちを捜しに広島まで歩いた人の足跡をたどった。

 参加者26人は仮眠をとりながら、約20時間かけて中国山地を越える国道261号などを歩いた。午前8時ごろから相次いでドーム前に到着。疲れて座り込みながらも達成感に浸っていた。

 参加者のうち最高齢の甲村方子さん(72)=同町井原=は「周りのサポートで歩き抜くことができた。原爆で亡くなったいとこの思いを考えながら山を越えた」。最年少の瑞穂中1年、洲浜遼介さん(12)=同町下田所=は「平和について考えるきっかけになった。来年も参加したい」と汗をぬぐっていた。

 参加者は原爆の子の像に千羽鶴をささげた後、原爆資料館を見学。バスで邑南町に帰った。

(2010年8月6日朝刊掲載)

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