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核廃絶 被爆者存命中に 潘国連事務総長 世界に力結集求める

■記者 新本恭子

 「被爆者が生きている間に核兵器廃絶を実現しよう」―。国連の潘基文(バンキムン)事務総長が、平和記念式典に現職として初めて参列。世界に向け、力を結集するよう呼び掛けた。

 潘氏は「コンニチハ」などと日本語も交えながら英語で約5分間スピーチ。会場を見渡し「65年前に命を失った人、一生を永遠に変えられてしまった人に哀悼と敬意を表する」と述べた。

 また「私たちはともにグラウンド・ゼロ(爆心地)からグローバル・ゼロ(大量破壊兵器のない世界)を目指す旅を続けている。平和な世界を手にすることは可能」と力を込めた。

 演説を聞いた被爆者川辺豊さん(83)=広島市安佐北区=は「姉は被爆から1カ月後に亡くなった。あんなむごいことが二度とないよう事務総長をはじめ世界のリーダーは今日の約束を忘れないでほしい」と求めた。

 潘氏は式典後、原爆資料館を見学。元資料館長の高橋昭博さん(79)から被爆体験を聞いた。

(2010年8月6日夕刊掲載)

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