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陸奥爆沈71年 犠牲者追悼 山口県周防大島 遺族や元乗組員 平和願う

 太平洋戦争中に周防大島町沖で爆沈した旧海軍の戦艦陸奥の殉難将兵慰霊祭が命日の8日、同町伊保田の陸奥記念公園であった。東和陸奥顕彰会の主催で、遺族や関係者約150人が参列した。(久行大輝)

 艦の写真が掲げられた慰霊碑前で、会長の椎木巧町長が「平和に対する悲願が受け継がれることを心から願う」と追悼の辞を述べた。読経が響く中、参列者が焼香。元乗組員の篠原喜一さん(91)=長野県小海町=は焼香後、手を合わせて海軍の歌「海ゆかば」を独唱した。

 遺族を代表して大野小郎副艦長の長男、忠彦さん(84)=大阪府高槻市=は毎年、慰霊祭を開く地元への感謝を伝え、「遺族も年々高齢化する中で、孫、ひ孫の代の参列が多くありがたい」とあいさつしていた。

 陸奥の研究をことしのテーマにしている周南市の徳山高地歴部の生徒9人も参列。3年鈴木健太郎部長(17)=光市室積=は「悲惨な歴史を多くの人に伝えたい」と話していた。

 陸奥は1943年、伊保田沖約3キロで爆発し沈没、1121人が犠牲となった。

(2014年6月10日朝刊掲載)

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