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四国さん追悼展 支援募る 有志の会 被爆70年に向け計画

 峠三吉「原爆詩集」の表紙絵を手掛けるなど、広島の地で反戦平和の思いを絵や詩に表し、3月に89歳で亡くなった四国五郎さん=写真。その功績を末永く伝えようと、ゆかりの人たちが追悼展を計画し、支援を募っている。

 四国さんは広島市役所に勤める傍ら、1949年創刊の詩誌「われらの詩(うた)」に峠や深川宗俊たちと参加、挿絵や反戦詩を寄せた。絵本「おこりじぞう」の作画や母子を描いた絵でも知られ、広島の街の今昔、庶民の暮らしを描いたシリーズも残した。

 生前に四国さんの画集を編んだ広島文学資料保全の会の池田正彦事務局長(67)は「優しい画風は広く市民に愛された。広島の戦後史の貴重な記録でもある」と話す。

 遺族の元に残された作品を、広島の財産として保存・公開する機運を盛り上げたい―。そんな思いから、追悼展を開くための有志の会ができた。呼び掛け人代表は、「われらの詩」などで活動をともにした詩人の御庄博実さん(89)=広島市安佐南区。今後、数回の小品展を重ね、被爆70年の来年春、全容をたどる回顧展を開く計画だ。

 経費に充てるため、四国さんの作品の絵はがき(8枚セット500円)を販売するほか、1口千円で賛同人を募っている。賛同人には絵はがきセットを贈る。事務局の広島文学資料保全の会Tel082(291)7615。(道面雅量)

(2014年6月11日朝刊掲載)

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